何でも屋だからって自分の思い通りに何でもって、そんな発想が素敵です。
こんばんは。
今日は音楽以外の趣味を。
最近読んだ漫画について。
物語の舞台はおそらく20世紀のヨーロッパ。大資産家出身であるジゼルはとある理由からアパートの大家をやっている。そんなジゼルはある日突然「何でも屋」を開業することを思いつく。お嬢様育ちで常識に疎い何でも屋ジゼルが、幅広い教養と好奇心を武器に、アパートの住人エリックを巻き込んで様々な依頼をこなしていく物語である。
と、簡単にあらすじを書いてみた。
こうやって読むと僕の説明が下手なんだろう、面白くなさそうな内容。
それでも僕はこの漫画に引きこまれてしまったのである。
ジゼルの諦めない性格、自分でやらないと納得しないで、後先考えない行動力。こういったものが人々を救い、人々を笑顔にする。
そんな、言葉で書けばありきたりの話なのにどうして僕は好きなんだろう。
基本的に一話完結で、ジゼルの元に依頼が来てからがスタート。最初のうちは首を突っ込んで「何でも屋」ごっこのように動く若干13歳のジゼルが、責任を持って、覚悟を持っていく過程も面白い。
一度決めたことは最後まで貫く良い頑固さは見ていてすがすがしい。
常識は身に着いていないが、教養は素晴らしく語学も堪能。
前巻からおよそ1年4か月ぶりに発売された4巻を書店で見つけた瞬間に手に取っていた。
(以下は1~3巻を読んでいないとわからない内容です。つまり存分にネタバレです)
エリックがアパートを出て小説家になったと信じているジゼルは今日も何でも屋としてがんばっています。しかし、エリックは自分の小説は書かせてもらえずに昔有名だった作家のゴーストライターをやらされていた。
そんなある日、ジゼルは仕事仲間(?)のギーと共にサーカスの手伝いという仕事を受けた。ジゼルは子守、ギーはテント張りなどの雑用。
そのサーカスは近いうちに解散することが決まっており、それは団長パウラしか知りらない。パウラには3人の子供がいる。その内の1人カミラはパウラに内緒で玉乗りの練習をしている。それは母と同じようにサーカス団の一員として舞台に上がりたいからという理由がある。でも、パウラはそれを良しとしません。サーカスを解散させる理由も、子供たちに故郷を与えたいためだから。
ジゼルは親子の意見の違いに悩みましたが、カミラを応援することにしました。毎日玉乗りの練習に付き合いアドバイスをし、少しずつカミラはうまくなっていきました。そんなある日の夜、カミラの本気さを知ったパウラはジゼルを子守から下ろしました。「芸は芸人だけのものだ。こっから先は自分一人でやらなきゃいけない」と。
ジゼルに懐いていたカミラはジゼルを裏切り者と言い、そしてこの街でのサーカスは最終日になりました。芸はやらせないけど最後に子供たちもステージに立たせる。そのはずだったのに、パウラがサーカスを解散することを本番直前に団員たちに伝えてしまいました。時間になっても始まらないためお客さんは怒っています。帰る人もいる中、カミラが玉乗り用の玉を持って舞台に出てしまった。ジゼルはどうするのでしょうか。
4巻ではまたジゼルが成長する。それと同時にエリックの苦悩が嫌というほど描かれる。それはそれは苦しい。
僕は、人の物語が好きなんだと思う。
人が考えて行動して、その先に何もなかったとしてもその人にとっては意味があると思うから。すべての人は同じことを考えているわけではないし、物語も1つじゃない。そのばらばらの物語に介入するジゼルを僕自身に重ねて読んでいるんだと思う。
面白いなぁ。
秋晴れの午前中に、テラス席でアイスコーヒーを飲みながら読みたいそんな作品でもある。良く分からない笑
僕も昔は何でも屋さんをやりたかったんです。
その気持ちが僕の今の行動理由になっていて、人の話を聞いて一緒に考えて解決してやりたいというか、その人が行動できるようになってほしいって思う。
話を聞いてそこから間違えちゃったりするけど、それでも僕が絶望されないで、失望されないでやっていけているのは、そう思わないでくれるみなさんがいるからだと心から思っています。
そうか、だから公務員なのかな、と思ったりする休日。